「自分仕様の収納で、使い勝手と統一感を追及するか」それとも「オシャレな家具を後から置くか」は、家を建てるときの悩みどころ。収納スペースは、ものをしまうだけでなく、部屋と一体化することで、別の働きをすることがあります。そのため、どこまで造作でつくり込むかは、家全体の設計と大きく関係してきます。ここでは、「どういったときに造作家具にしたほうが良いのか」について、6つの場面を参考に整理してみました。
壁一面を収納にしたいとき
天井の高さに合わせて、完璧なサイズでつくられた収納は、一見の壁のようです。このようにお部屋の高さにぴったりと合わせて収納をつくるなら、造作収納という選択に。この事例のように、扉をつけて壁のように見せることもできますし、場合によっては、オープンにして「見せる収納」にすることもできそうですね。扉の開け方だって自由に決めれられます。床から天井まで、目一杯のスペースを利用できるので収納量も抜群です!
デッドスペースを極限まで活用したいとき
見た目にも機能的にも「収納であり階段」です。階段下は、デットスペースになりがちな空間なので、有効利用したいところです。この事例では、階段をデザインすることで、収納スペースとして有効に使っています。このように建物の一部に一体化しているスペースにピッタリと合う家具を探すのは至難の技だと思います。箱それぞれのサイズは、統一感をもって作られていますが、造作収納だけに、自分仕様に変更もできそうですね。
色合い・質感を完全に統一したいとき
壁や床だけでなく、選定された家具も含め、すべての素材の色合いが素晴らしく統一されています。その中で、さりげなさくもセンスの良さを表現しているのが、正面奥の収納です。棚の形状のオリジナル感もさることながら、収納部分の奥に貼られたチーク材の色合いがとても素敵です。お部屋の統一感をここまで仕上げるには、「やはり、造作収納が必要なのか?」と思ってしまう完成度です。
収納を間仕切りとしても使いたいとき
「収納兼間仕切り」というアイデアを実現しようとした時、造作収納にする必然性が高くなります。この事例では、天井までの高さ、廊下と部屋とのバランスを考えた奥行き、壁や床との色あいなど、全てにおいて建物の一部として考えられた収納になっています。このように建物の一部として、収納部分の素材の選定から考えていくような場合も、造作収納が最適ですね。
収納をひとつの部屋として考えるとき
ウォークインクローゼットのような「部屋としての収納」をつくる場合には、棚をあらかじめ作っておくことも多いかと思います。この事例では、「収納ボックス」という形で、スペース全体が設計されています。 そのボックス内の壁の両面には、他の部分と合う素材でつくられた棚が。とてもすっきりしていて造作収納ならではのデザインですね。収納スペースをひとつの部屋として作る場合には、収納でありながら遊び場にもなる、こんな空間をつくってみたいですね。
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ライター/writer hotagos