2011年3月11日、あの地震は起こりました。日本のみならず、世界中が悲しみに染まったあの日。今でも、被災地では元通りの生活に戻れない現状の中、希望を忘れずに生きる人々がいます。
失ったものは計り知れず、そっと蓋をした悲しみさえも、時としてまた溢れ出しながら・・・・・・。だけど。それでも人は、生きるのです。生きようとする活力を見出せる強さが、人間にはあるということを、私たちは教えられているのではないでしょうか。
そして、あの日をきっかけに、地震に対する危機意識が日本中一気に高まりました。地震が起きた時の集合場所を家族で話し合ったり、避難道具を用意したり。そしてその中で最も気になったのは、「今自分が住んでいる家、これから建てる家は、地震があっても大丈夫なのか」という不安要素ではないでしょうか。
日本に住み続ける限り、いつどの土地で大地震が起こっても不思議ではありません。そんな時「耐震」は非常に重要な役割を担ってきます。家族が安心して住める、地震に負けない強い家。今回は「耐震」に重点をおいてご紹介していきます。
2×4工法の16角形の家
2×4工法とは、「軸組壁工法」の通称です。2×4インチまたはその正倍数の木材・合板を接合し、柱や梁のかわりに床・屋根・壁などを構成してそれぞれを組み合わせ、家全体を一つの箱型にして建築する工法のことを言います。壁面で家を支えるので、地震に非常に強く、また気密性にも優れているのが特徴です。
ただし壁面で支える分、将来的な間取りの変更などは難しくなるので、将来のことも考えて設計する必要があります。耐震面以外にも断熱、防火性にも優れているので、災害時だけでなく省エネ効果も期待出来ます。
SE工法で、広く自由な空間を。
SE工法とは、阪神淡路大震災で木造家屋が多く倒壊してしまったという過去から、「地震は必ずくる。それでも倒壊しない木造家屋を。」という目標のもとで研究・完成されたEngineering For Safty(工学的で安全な工法)という意味の耐震工法です。
木造家屋の弱点だった接合部を強度の高い金物に置き換え、構造計計算を何度も行った、非常に信頼性の高い工法です。
強度が高い分、一般の木造家屋よりも少ない量の耐力壁で作ることが出来ます。その分空間の自由度が高く、大空間を作ることが可能になります。例えば写真のお宅のような狭小住宅でも、耐震構造をしながら、空間を広く、ハイセンスに見せることが可能です。
大開口でも、耐震等級2のお宅。
耐震等級とは、住宅性能表示制度に基づく建物の構造の強さの目安で、地震に対する倒壊・崩壊のしにくさを表し、等級1〜3の3段階で示します。
等級1は数百年に一度発生する大地震(ex.東京では震度6強~7)に対し倒壊・崩壊しない。そして数十年に一度発生する地震(ex.東京では震度5強位)に対し損傷しない程度の事を言います。等級2、3と上がるにつれて耐震強度が増していきます。等級2は等級1の約1.25倍、等級3は等級1の約1.5倍の強度を誇ります。
家を買う時借りる時、そしてマイホームを建てる時。耐震等級のレベルをどうするかを確認しつつ、作業を進めることをおすすめします。
人口地盤(駐車場)の上に建つ家
例えば、元々が田んぼや川だった土地に家を建てる時。その土地の元の地盤よりももっと強固な地盤にしたい時。写真のお宅のように、人口地盤を作るという選択があります。
こちらのお宅の人口地盤は、耐震調査の結果、駐車場として活用されています。写真を見ただけでも伝わってくるような、地盤の強固さ。
何かがあった時も大丈夫だろうという安心感は、何物にも代えがたい大きな存在です。
スーパーウォール工法で、暖かいバリアフリーの家
スーパーウォール(SW)工法とは、高性能SWパネルによって作り出される高気密・高耐震・高断熱構造のことを言います。高性能SWパネルを付けることで、地震の揺れを建物全体に分散してバランスがとれる、災害に強い家を実現しました。また高い耐震性の他に2×4工法同様、高い気密性や高断熱性があります。24時間の空気換気システムによって、キレイな空気を保つことも可能にしました。
写真のお宅のように、高齢者の方がいるご家庭にも適した構造です。
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2014年06月02日投稿
構造
防災対策
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ライター/writer midori