予算の大小に関わらず、コストを抑えながら最高に満足できる住まいを建てたいという思いは、皆さん共通だと思います。立地にこだわったことで、建物へかけられる予算が限られてくる場合もありますし、素材にこだわったことで、室内の仕様に工夫が必要になったりする場合もあると思います。
今回は、単に商品のグレードを下げるというコストダウンではなく、設計事務所に依頼した注文住宅だからできたローコスト化の事例について集めてみました。
ガラス面の造作を大工工事にしてコスト削減
建物の一角が、上から下までガラスになっていて、開放感抜群の住宅です。この住まいを印象づけるこのガラス面は、いかにもコストがかかりそうな部分ですが、既製品ではなく構造材にアルミの角パイプなどを利用し、大工工事でガラスを固定することで、デザイン性を保ちながらコストの削減を実現しています。
このクオリティーは、設計事務所がつくる注文住宅ならではの住まいですね。ガラスには、断熱効果の高いタイプのものを使うことで、日差し対策も万全です。
ローコストを突き詰めた美しさを感じる住まい
壁や天井の構造材が、随所にむき出しになっていますが、住まいを構成するのに必要なものは全て備えています。理想の間取りを実現する中で、仕上げを極限までそぎ落とすという手法がとられています。
隠してしまえる方が作りやすい部分もある中で、素材の質感を活かしつつ、見ていて洗練された印象の住まいをつくるためには、かなりの熟練の技が必要だと思います。
見た目の美しさからは、構造材や金物など細かな部材についても、見せることを考えて、選定されているのではないかと感じますね。
リビングの壁一面をローコストで全面収納に
壁一面が全面収納になっています。これだけのスペースがあれば、かなりのものを収納できます。収納スペースが多ければ、お部屋をすっきりした状態に保つことができるので、部屋を広く使えます。
こちらの住まいは、建坪16坪に、5人が住む二世帯住宅を建てるというかなりの制約の中で設計されているため、随所に家を広く使うアイデアが詰まっています。
壁を作る代わりに収納の扉を設置し、お部屋全体の統一感を持たせる手法は、やっぱり、設計事務所の建てる注文住宅ならではですね。
シンプルでローコストなオリジナルキッチン
いかにもシンプルでオリジナリティー溢れるキッチンです。よく見ると、コンロは、大火力のタイプのコンロで、食洗機は、ミーレの大型タイプが備わっています。
キッチン自体は、ステンレスカウンターに大工さんの作った台がセットされているものですが、こだわりの部分が明確で、使う人の思いがギュッと詰まったキッチンだと感じます。
シンプルかつ使い勝手の良さそうなキッチンが、床の色合いとも一体感があって素敵ですね。ローコスト、オリジナルキッチンの参考にしたい事例です。
無垢のローコストフローリング
床の仕上げ材の選定は、面積が多いだけに、コスト面で大きく左右される部分です。無垢フローリングの場合、樹種の違いによって様々ですし、板の形状も1枚ものから、乱尺を繋いだものまであり多種多様です。
ここでは、造作の下地材として使用されるSPF材を床材に利用しています。床材として、材をそのまま使用するのではなく、施工方法に工夫を凝らし反りなどの対策を行っています。究極のローコスト化といえる手法も、設計事務所の注文住宅ならではの事例です。
床材のコストダウンとデザイン性の両立は住まいを考えるときには、じっくり検討したい部分ですね。
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ライター/writer hotagos