一つ屋根の下、みんなが集まる、笑顔が生まれる。お茶の間的コミュニケーション空間×7

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一つ屋根の下に暮らす小さな個体群、家族。
憂いも喜びも分かち合い、健やかなる時も病める時も、命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?と問われ、誓いますぞと応えたその日から、新生家族の歴史が始まります。歴史の渦中で我々は、時間が有限であるということを学びます。子供たちは独立し、両親は老いを重ね、家屋もまた老いていく。日常のささやかな喜びや、家族と共有した空間が、かけがえのないものだったと気づく時、気づきは次世代に引き継がれます。引き継ぎは、リビングのソファーで成されるのかもしれません。コタツで鍋を囲みながら成されるのかもしれません。斬新な草屋根でポカポカしながら成されるのかもしれません。ともかく、歴史と継承においては、家族を優しく包括する空間が、大きな役割を担う気がします。

小さくて愛らしい、ミニマムなコミュニケーションが生まれる空間。

スキップフロアーと、その段差を利用した、小さなスペース。なんとも愛らしい空間です。このお宅の他の写真も是非ごらんください。空間に遊び心をプラスすると、家族の距離が縮まって、笑顔も倍増、ということがわかります。

広い階段は、階段としての機能を超越します。

とてもゆったりとした空間に、ご家族がまったりとくつろぐ姿。ちょっとした憩いの場が作り出されています。こちらの住宅、他の部屋はどのような作りになっているのでしょう。しかし、階段に対する固定概念がクルッとひっくり返りますね。建築家ってすごいなぁと、改めて感動します。

立体的な空間は、子供たちの格好の遊び場。公園のジャングルジムを思い出しました。

子供たちは、遊びを創造するエキスパート。そして子供たちの笑い声は、暖かな暮らしを彩る楽しい音色。家の中の、小さな子供たちの大きな存在に、時に大人たちは救われます。
健やかに遊び、健やかに食べ、健やかに眠る彼らを、健やかに見守っていけたらいいなと思います。

王道中の王道、畳のお茶の間。幼いころから知っている、その素材の心地よさ。

私の住まいには、残念なことに和室がありません。畳がほしいというよりも、畳が必須と結論が出た時に、国産の縁なし置き畳を購入しました。掃除が大変で、乱雑に扱うことしばしばですが、置き畳を愛し続けて早6年、ほぼ毎日、畳の目をサワサワと撫でています。

三世代世帯のお茶目な空間。「おーい、おじいちゃーん、おばあちゃーん」と呼びかけたい!

こちらの事例は、先に「小さくて愛らしい、ミニマムなコミュニケーションが生まれる空間」でご紹介したお宅の、リビングから見たダイニングの写真です。家の中を自由自在に動き回る子供の姿は、世代と世代をつなぐ、大切な鎹です。
このお正月休みは、寒さに対する覚悟を決めて帰省しました。その寒さは、室温が凍えるほどに低温であるという、実家のファミリーアフェアーによるものです。正月という伝統行事に縛られて、不自由を強いられる雪山登山愛好家の父は、この時期、より一層雪山が恋しくなるため、文明の利器「暖房」の存在を一切無視し、凍える指でマウスを握り、寝袋にくるまりながら、Google Earthで脳内登山を目論みます(主にチョモランマ)。
キリッと研ぎ澄まされた実家の冷気に、何のメリットも見出だせない子供たちは、雪山気分の脳内登山に若干の畏怖を覚えながら、山男の目を盗みつつ、暖房のスイッチをコソッとON。グングン数値を上げていく温度と歓喜で額がうっすら汗をかく頃に、雪山登山愛好家の夫よりも節約を深く愛するその妻が、「もったいないから消すよっ」と勢いよくスイッチOFF。毎年恒例、実家の不条理。しかし、俯瞰の目で捉えれば、不条理もまた、家族団らんのワンシーンであることに気づきます。マイナス5度の実家にて、家族とは何ぞや、家とはなんぞやと、思いを巡らすお正月でありました。

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ライター/writer koagari