あなたは合板の家と聞くとどんなイメージをしますか。「合板って、ベニヤ板のこと?安っぽい家なのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。合板とはベニヤ板を重ねて熱圧接着した板のことです。確かにに合板は安価な建築資材です。一方で、多くの住宅の下地材料として使われている縁の下の力持ち的存在なのです。今回は、そんな合板をおしゃれに活用している住宅を紹介していきましょう。
時間をかけ、趣味の品で彩る空間
趣味の品々と本がところ狭しと並んでいる空間。その壁や天井は、合板をむき出しに使っています。仕上げの壁紙などは施していません。また柱も本棚の構造の一部となっていて、空間全体が一つのギャラリーとなっています。このように壁や柱全体が棚となっている場合、主人の持ち物が壁紙の代わりとなり、時間をかけながら物が増えていき部屋を彩ります。この住宅はこの空間だけでなく、いたるところの壁面は棚となる作りになっています。
ステインで木目を生かして、重厚な雰囲気を
合板といっても様々な種類があります。この住宅では木目が滑らかで美しいシナ合板に、ダークブラウン系と白系のステインを塗って壁や天井材としています。ダークブラウンと白のコントラストが重厚で落ち着いた雰囲気を出しています。ステインは木目を残しながらも着色ができる塗料のことです。このような重厚な雰囲気を醸し出すには、ちょっとした素材の表情が見えることも場作りの一役を担います。資材の価格と空間の価値はイコールではない良い例です。
バランス感覚にすぐれた空間
室内の壁をラワン合板にしています。合板の中なかで一番ポピュラーで安価、一般的にベニヤ板と呼ばれているのがこのラワン合板。表面がざらつき木目がはっきりしないのが特徴です。安価な壁材に対し、床材は高級感のあるカリンの無垢のフローリングを使用しています。色のばらつきのあるカリンの床材がパッチワークのような遊び心のある表情を作り、壁材とのバランスをとっています。見た目だけでなく予算配分も絶妙です。
壁だけでなく、床面も合板にすることで一体感をもつ
傾斜のある壁だけでなく床材やキッチンカウンターにもシナ合板を使っています。壁と床材を同じものにすることで連続した空間とし、船底に住んでいるイメージに仕上げています。合板とはベニヤ板を複数枚重ねて圧縮したもの。合板の表面にだけ木目の滑らかなシナ材を使い、芯の部分はラワン材など安価な木材を使用すると価格は抑えられます。厚みのある板を使いたい場合は芯材に木材を入れたものもあり、様々な場所に使える資材です。
素材の経年変化が楽しみな家
自然素材の持つ経年変化を楽しむために、内装に無垢のフローリングや和紙、ヨシベニア、ラワン合板などを使っています。天井材にラワン合板の表情がそのまま見えるようになっています。家具もすべて木目を生かした仕上げにしており、ソファーのファブリックや室内のグリーンなどが、優しい雰囲気を作るのを手助けしています。自然素材は、種類が複数でも乱雑でなく楽しげな雰囲気を作りやすく、経年変化も劣化ではなく変化として受け入れられやすいです。
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2014年06月01日投稿
施工
木の壁
(回答数2)
ライター/writer yumisong