静かな平屋ブームが訪れている昨今。若い世代が郊外の広い土地に平屋を建てるケースも増えています。日本の伝統的な平屋につきものなのが、縁側。古来より日本人は縁側で月や自然の風景を眺め、季節の移り変わりを感じてきました。それは忙しい現代人にとっても、変わりありません。縁側は、慌ただしい日常の中にあって束の間の安らぎを得られる憩いのスペース。自然の声に耳を傾けたくなる、魅力的な縁側をご紹介します。
樹木と共存し、自然に溶け込む軒と縁側
デッキを突き抜けて生えているかのような樹木と、カーブ状に切り取られたような軒が特徴的なこちらの住宅。ウッドデッキ風の縁側から生える木は、家を建てる際に伐採するのではなく、日よけ兼オブジェとして活用したもの。屋根が切り取られているように見えるのも、木漏れ日を作る「樹木の屋根」を残すための配慮です。樹木との共生がコンセプトの縁側です。
秋晴れの空を背に、眼下の景色を眺める縁側
瀬戸内の山のなだらかな斜面に立つ平屋の住宅。地形に沿ってゆるやかな「く」の字に曲がる作りが、外部との調和を感じさせます。縁側の奥行き自体は決して広くはありませんが、横に長く伸びることで広がりと解放感を生み出しています。縁側に腰掛けると眼下には八朔畑が望め、晴れた日には瀬戸内の太陽を体いっぱい浴びることができます。
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ライター/writer 玉置