空間を仕切る。引き戸の魅力を再発見する家

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日本の家で古くから用いられてきた引き戸。現代建築では窓は引き戸が一般的ですが、部屋の扉は開き戸が使われることが多いもの。しかし、スペースを取らないなど多くのメリットがある引き戸を使わない手はありません。部屋の扉を引き戸にすることで暮らしやすくなったり、スペースを有効活用したりすることにもつながります。引き戸の魅力、再発見してみませんか?

必要に応じてキッチンとリビングダイニングを仕切る

リビングダイニングとキッチンを仕切るのは、光を透過する引き戸。閉めてしまえばリビングダイニングだけの落ち着いた空間に、全開すればキッチンと一体となった広い空間に変えることができます。
調理中は引き戸を閉めておけば、ペットがキッチンに入ってしまうのを防ぐこともできてとても便利。
引き戸は開き戸とは異なり、少しだけ空けておくということもできるため、ダイニングの様子をうかがいながら調理をすることも可能です。

摺りガラスの引き戸で明るい空間に

リビングにつながった寝室。間を仕切るのは曇りガラスの引き戸です。引き戸を開けてワンルームのようにしてもよし、閉めてもよし。
曇りガラスは視線を遮りながらやわらかい光を適度に通すため、完全に閉め切っても明るい空間になるのがメリットです。
天井までの高さがある幅の広い引き戸は、開けたときの開放感もたっぷり。バリアフリー住宅にも取り入れたいデザインです。

温故知新。現代建築にも似合う障子

築100年の古民家を再生。もともとあった引き戸を再利用しています。
新しい障子紙に張り替えた障子は、不思議と現代の建築にもなじみ、むしろモダン。白い障子紙を通した光が部屋全体を柔らかく包み、壁と開き戸の組み合わせにはない温かみを感じさせてくれます。

オープンキッチンを隠す便利な引き戸

オープンキッチンは、リビングダイニングを見渡せるのが良い点ですが、逆に、リビングダイニングからキッチンが丸見えになってしまうというデメリットもあります。常にきれいに保っておきたいけれど、生活しているとそうはいかないことも。
来客時などキッチンを見せたくない時に、さっと閉めてしまうことができる引き戸はとても便利。手元の目隠しとして使えるアイディアです。

フレキシブルに空間を分ける引き戸

引き戸の便利なところは、完全に開け放てば広い空間になり、閉めてしまえばいくつもの空間に分けられること。フレキシブルに空間を分けられるのは引き戸ならではの魅力です。
このホームコンサートを楽しめる広間も、必要に応じて引き戸を閉め、部屋の一画にある畳のコーナーをゲストルームとして使用することができます。
引き戸は開き戸のように扉を開くスペースが必要ないので、狭い空間も有効活用することができます。また、全開にしたり、一部だけ開けておいたりということも可能。開口部に合わせて扉の幅を広くすることもできるので、バリアフリー住宅にもおすすめです。メリットの多い引き戸、もっと取り入れてみてはいかがでしょうか。

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引戸のすゝめ 2014年02月14日投稿 住宅設計 引戸のすゝめ

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ライター/writer okunaga