一つ屋根の下に暮らす小さな個体群、家族。
憂いも喜びも分かち合い、健やかなる時も病める時も、命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?と問われ、誓いますぞと応えたその日から、新生家族の歴史が始まります。歴史の渦中で我々は、時間が有限であるということを学びます。子供たちは独立し、両親は老いを重ね、家屋もまた老いていく。日常のささやかな喜びや、家族と共有した空間が、かけがえのないものだったと気づく時、気づきは次世代に引き継がれます。引き継ぎは、リビングのソファーで成されるのかもしれません。コタツで鍋を囲みながら成されるのかもしれません。斬新な草屋根でポカポカしながら成されるのかもしれません。ともかく、歴史と継承においては、家族を優しく包括する空間が、大きな役割を担う気がします。
小さくて愛らしい、ミニマムなコミュニケーションが生まれる空間。
スキップフロアーと、その段差を利用した、小さなスペース。なんとも愛らしい空間です。このお宅の他の写真も是非ごらんください。空間に遊び心をプラスすると、家族の距離が縮まって、笑顔も倍増、ということがわかります。
広い階段は、階段としての機能を超越します。
とてもゆったりとした空間に、ご家族がまったりとくつろぐ姿。ちょっとした憩いの場が作り出されています。こちらの住宅、他の部屋はどのような作りになっているのでしょう。しかし、階段に対する固定概念がクルッとひっくり返りますね。建築家ってすごいなぁと、改めて感動します。
立体的な空間は、子供たちの格好の遊び場。公園のジャングルジムを思い出しました。
子供たちは、遊びを創造するエキスパート。そして子供たちの笑い声は、暖かな暮らしを彩る楽しい音色。家の中の、小さな子供たちの大きな存在に、時に大人たちは救われます。
健やかに遊び、健やかに食べ、健やかに眠る彼らを、健やかに見守っていけたらいいなと思います。
王道中の王道、畳のお茶の間。幼いころから知っている、その素材の心地よさ。
私の住まいには、残念なことに和室がありません。畳がほしいというよりも、畳が必須と結論が出た時に、国産の縁なし置き畳を購入しました。掃除が大変で、乱雑に扱うことしばしばですが、置き畳を愛し続けて早6年、ほぼ毎日、畳の目をサワサワと撫でています。
三世代世帯のお茶目な空間。「おーい、おじいちゃーん、おばあちゃーん」と呼びかけたい!
こちらの事例は、先に「小さくて愛らしい、ミニマムなコミュニケーションが生まれる空間」でご紹介したお宅の、リビングから見たダイニングの写真です。家の中を自由自在に動き回る子供の姿は、世代と世代をつなぐ、大切な鎹です。
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ライター/writer koagari