人もペットも心地よく。その秘訣は建材にあり

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ペットと暮らす人にとって、住宅は人間だけでなくペットの健康や快適さもサポートしてくれるものであってほしいですよね。
ペットは、私たちが思いもよらない意外なポイントで、不便や不自由さを感じているもの。でも、自分からはその不便を訴えることはできません。
だからこそ、家作りにもペットの視点を取り入れて、家族みんなが楽しく安全に過ごせる空間を作ってみませんか?
ここでは、犬や猫のために建材を工夫している家をご紹介します。

すべりにくい素材で階段の上り下りをサポート

犬は、もともと階段の上り下りが苦手です。
木登りをする習性のある猫と違い、足腰に柔軟性がなく、衝撃に対してとても弱い構造になっているため、階段を上り下りする動きが足腰に大きな負担をかけるのです。
とはいえ、家に階段を作らない…というのはなかなか難しいもの。
そこで、犬の腰への負担を少しでも減らすために、階段にはすべりにくい材質を選びましょう。
写真のお宅では階段の踏み板にリブ付きデッキ材を使っています。
愛犬が勢い余って階段を踏み外したり、足をくじいたりすることがないように、という飼い主さんの愛情です。

珪藻土の壁でペットも人も快適に

ペットのいる家庭の悩みの一つといえば、ニオイではないでしょうか。
体臭や排泄物のニオイなど、気をつけていても完璧には防ぎにくいもの。
そんな悩みに応えてくれる素材が、珪藻土です。
珪藻土には消臭効果があり、ペットやタバコのニオイの原因物質を吸着・脱臭する働きを持っています。
また、吸湿・放湿性が高く、部屋の湿度を住みやすい状態に保つ効果も。特にニオイが気になるジメジメシーズンにも心強い素材です。
猫と暮らす写真のお宅は、壁を珪藻土で仕上げています。
右手に見えるキャットタワーと天井付近のキャットウォークからも、猫ちゃんが愛されている様子が伝わってきますね。

壁のテクスチャーは爪が引っかからないものに

猫と暮らす飼い主さんの最大級の悩み、それは爪とぎ。
せっかく新築した家の壁や柱が、猫の爪とぎによって数日でボロボロにされた…という話もあるほどです。
ただ、猫にとって爪とぎは「ここは自分の縄張りだ」「自分は、こんなに高いところで爪がとげるくらい大きな猫なんだぞ」と示す意味があり、本能的な行為なので、責めることはできません。
猫と暮らす写真のお宅は、壁を「すべるテクスチャー」にすることで、爪とぎを防止しています。
猫は、爪がひっかからない場所では爪をとがないため、効果は抜群。
別の場所にきちんと爪とぎ器を用意してあげれば、ストレスがたまることもありません。

ペットが走り回っても傷つきにくい床材

広々としたリビングを、愛犬や愛猫がダッシュ!
飼い主さんとしては、見ているだけでほのぼのとうれしくなる光景ですよね。
でも、走り回るたびに床に爪あとが付くのは、正直いただけません。
犬も猫も走るときには爪で床を引っ掻くので、やわらかい床材では、あっという間に傷だらけになってしまいます。
ペットと暮らす家の床には、オーク材のような硬い材質のものがおすすめ。
すべりにくさを重視するならタイルもありですが、冬場は冷えるので、使うスペースを限定するとよさそうです。
人とペット、双方の願いをかなえる住まいを作るには、愛犬や愛猫の性質や行動特性をよく知ることが欠かせません。
たとえば、猫の爪とぎを「ダメ!」と頭ごなしに叱るのではなく、爪とぎをする理由を正しく知ることで、人も猫も笑顔になれる解決策がきっと見えてくるはずです。
また、ペット共生住宅に詳しい専門家に相談するのも手です。
ペットと暮らす家を数多く手がける建築家も多くいるので、「愛犬の足腰を傷めない床材は?」「愛猫の爪が引っかかりにくい壁紙は?」など、迷わず相談してみましょう。

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ライター/writer 玉置