暮らしに潤いを与えてくれるのは、可愛いペットとストレスフリーな住宅です。

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今や日本の家庭で飼われているペットの数は、15歳未満の子供の数を超えているそうです。昔とちがってペットもほとんど屋内で生活していますが、私たちが何気なく生活している家の中はペットにとって必ずしも快適な空間とは言えません。そしてまた、家が原因でペットが体調不良になったり造作が壊されたりすると、飼い主にもストレスが溜まります。飼い主もペットも快適に過ごせる家づくりを考えてみましょう。

足腰に配慮してください。

フローリング材など滑りやすい床が原因で腰を痛める犬の話をよく聞きますが、ペットにとって滑りやすい床材はよくありません。カーペットは足腰には優しいですが、抜け毛の多いワンちゃん猫ちゃんのお宅では掃除が大変かもしれません。さらに粗相をした時に大変ですが、タイルカーペットなら毛足も短く汚れた部分だけ剥がして洗えるので便利です。また、無垢の床材なら弾力性もあり滑りにくく掃除も楽です。ペットのいるご家庭に好まれています。

開けたら閉めるって教えてもムダ。

犬も猫も最近は器用な子が多く、引き戸なら自分で開けることができます。けれども問題は閉めることができないこと!開き戸の場合はこちらが開け閉めしてあげなければいけませんし、サインを聞き逃すと、閉じ込められたペット達が巻き起こす悲惨な光景を想像するだけでも恐怖です。そんな時におススメなのが、ペットドア。これさえあれば、ペットの行ったり来たりが自由になるだけでなく、夏冬の冷暖房を無駄にすることもありません。

可愛いコでも匂うのです。

家族はあまり気がつきませんが、ペットの匂いというものは結構強いものです。こまめに消臭・換気をしたいですね。写真の室内ドアは、特注のものですが、換気ができるようになっています。ペットのいる部屋に換気扇をつけるのはもちろん、床・壁・天井の仕上げ材にも消臭効果の高いものを採用してはいかがでしょうか。無垢の木、珪藻土など自然素材には消臭作用があります。また、クロスやカーテンなどにも消臭効果の付加されたものもあります。

ペットもトイレは見られたくありません。

ペットのトイレどこにありますか?人間が食事をする所からペットのトイレが見えるのはどうでしょう。家族にとっては可愛い子ですが、臭いものは臭い。できたらペットのトイレはLDK以外の所にしましょう。写真は人間のトイレに猫ちゃんのペットのトイレスペースを作ってあります。猫のトイレ用品も収納できるようになっています。ワンちゃんならもう少し高く広い空間が欲しいところですね。この他に階段下の空間などはペットのトイレ空間としてよく使われています。

ウッドデッキでうほほ~い。

ポカポカ陽気の日にお日様の下で気持ちよく過ごしたいのは人間もペットも同じこと。ウッドデッキがあれば、足の汚れを気にすることなく動き回ったり、ウトウトしてみたりと解放感を存分に味わえます。特に夏など太陽の光が強い季節は朝早くと日没でなければ散歩は大変なので、家に外の気分を味わえる場所があれば、ペットもストレスをためることも少ないでしょう。ずっと室内にいてエアコン漬けになる心配もありません。

庭さえあれば、ひゃっほ~。

もし飼い主さんが体調不良や急な用事でお散歩に行く時間がとれなかった時も、ワンちゃんや猫ちゃんの走れる庭があれば大丈夫。元々家の周囲の細い空間は「犬走り」という呼称ですから、住戸にはペットが走れる場所があるべきなのですけれど。庭でペットを遊ばせる場合には、ペットが逃げ出さないようにすること、排泄はきっちり処理すること、大きな声を出させないこと等、いくら敷地内のこととはいえ、近隣に対する配慮も必要ですね。

見えるとかじりたくなります。

ペットは特に幼い時は何でもかじりたくなるものです。が、相手が電気コードとなると笑いごとでは済まされません。コード類はできるだけ彼らの目につかない所に片付けましょう。とはいえ、冷暖房器具に関してはその時期に使えないとつらいですね。できるだけ、エアコンのように手の届かない所で作動するものか、床暖房のようにコードレスなものの使用を検討してみてください。コードがあって危ないのはペットだけではありません、特に高齢者のお宅で足元に線が伸びているのは感心しません。

可愛くてもけじめは大事です。

台所は食べ物を扱うところです。お料理にペットの毛が入ることはいけません。そして火や刃物を使うところですので、ペットが足元でウロウロするのはとても危険です。そこは可愛いコでも、きっちりけじめをつけましょう。写真のお宅はキッチン部分に寸法を合わせてドッグガードを造ってもらったそうです。ちなみに我が家は居間とダイニングの間をベビーサークルで仕切って、愛犬が入れないようにしています。

ペットだってひとりになりたいこともある。

飼い主さんの側が一番好きなペットでも、たまにはひとりになりたい時もあります(きっと)。ケージや専用ベッドだけでなくきちんとしたお部屋を用意してあげるのはどうでしょう。写真のお宅は、猫ちゃんのエサ場だそうですが、トイレスペースにするのもいいかもしれませんね。ペットドアもついているので開け閉めの心配もいりません。収納も作ってペット用品を置いておく場所としても重宝します。この部屋にも換気口など作って匂いがこもらないようにしたいですね。
今回はペットのための設備だけでなく、ペットが居ることで人間がストレスをためないことにもクローズアップしてみました。可愛いコ達の悪戯で苦労して手に入れたマイホームを何度も修理しなければならない、家が原因でペットの体に不具合が生じる。。。毎日イライラとドキドキの連続です。ペットを飼うということは可愛いだけではすまないのです。ペットとの幸せな共存のために、最初から起こりうることを想像して新築・リフォームに臨んでください。

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ライター/writer さんたまる