日本の中でも歴史が古い建具の一つである障子。
障子とは、縦框と横框の中に組子(細い格子組)を入れて、その上に障子紙を張ったものです。
基本的なデザインは縦3本の組子に、横は障子紙の二つ割りの寸法に合わせて組子を入れるタイプがオーソドックスな形。いわゆる横組障子といわれるものです。
なお横組障子以外にも組子の組み方によって、さまざまな種類の障子があります。
今回は、そんなユニーク溢れる障子を紹介しましょう。
ソフトな陽光が降り注ぐ紙障子天井
井桁に丸太の梁を組み合わせた小屋組みの天井です。天井を天窓にしたことで、光が降り注ぐ明るく快適な空間になりました。
さらに天窓からの光は天井裏で一時的に溜められて、前面の紙障子から柔らかく届くようプランニング。
紙障子は繊細で幾何学的なデザインになっており、自由に曲がり豪快に組まれた小屋組のコントラストも素敵です。
加えて天井には、あえて照明を盛り込まずナチュラルな雰囲気を大切にしています。
障子とフランス製ガラスのおしゃれなコンビ
建具は引き戸で構成されたお宅です。
一見するとミスマッチのように思える、和の障子とフランスの装飾ガラスの組み合わせは、自然かつスタイリッシュにコーディネートされておりナチュラルモダンな印象です。
ポイントとしては、雪見障子のサイズとデザインを、装飾ガラスのサイズやカラーに合わせることで見事にマッチ。
さらに装飾ガラスは単なる間仕切りだけではなく、閉じることでハレの場になるよう考案しました。
モダンな和室のデザイン明かり障子
玄関脇近くにある客間として床の間と南広縁を設けた8畳サイズの和室です。
障子は、広縁へと続く明かりとりとして活用可能。
さらに天井の梁や障子、建具の枠などの黒色は空間全体を引き締めます。
なお2重の組子がデザインされている障子は、和室のアクセントにもなるでしょう。ちなみに、このような2重の組子の障子は吹き寄せ障子と言います。
吹き寄せ障子はデザイン性の良さだけではなく、障子の歪みがでにくいといった利点もあるでしょう。
夜の浜辺を和の雰囲気に落とし込む
この雰囲気のある床の間は、夜の浜辺を意識したものです。
書院窓では、満月と月光を受けた雲をイメージ。床の間の壁は、下弦の月と夜空を表しています。さらに地板のブラックは、砂浜を表現しました。
なお、障子に斜めの組子があるのは波を描写しているためです。
障子もあくまで、和室のデザインのひとつ。
そのため、空間にテーマを持つことはオリジナリティがでるだけではなく、全体的にまとまった印象にもなるでしょう。
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ライター/writer megumi,taki