feve casa登録専門家による回答 No.005
きのうのジョー さま
はじめまして
SOCIUS 岩間隆司 と申します。
分譲マンションで起きた 杭工事の偽装問題。
一般の方、これから建築をされようという方には、ご不安なことと思います。
私もこれまで、杭工事のある住宅や集合住宅の設計や設計監理をおこなってきました。
ですから、こういった不正がなぜおこり得るのか。よくわかります。
施工者とは別に 設計監理者 がいないからです。
建主の方は、建物の工事を工務店など施工者に発注します。
設計はそれとは別に、設計者(建築士事務所)に業務を委託し、その設計者が、作成した設計図書通りに施工されているかを工務店を設計監理する、というのが、あるべき業務の流れです。
施工者と設計者(設計監理者)が一体のゼネコンでは、第三者的視点でのチェックは働きません。たとえ悪意がなかったとしても、手抜き作業が生まれる土壌ができてしまいます。これは、杭工事に限ったことではありません。
それでも、開発業者さんがマンション建設を設計・施工一貫業者に頼んでしまうのは、その方がリーズナブルだと考えるからなのでしょう。ただ設計監理者は、設計段階からコスト・コントロールも責任のうちですから、そうとも言えないはずなのです。
設計者は施工者と別であること。
設計者が責任を持って、施工者を設計監理すること。
それが、いかに必要なことかを、示した事件であったと思います。
(事故が起きてしまったことは、悲しい出来事ですが‥。)
私のblogにも 杭工事偽装事件のことを書かせていただきました。
よろしければ、ご覧のほど。
http://ti-socius.blogspot.jp/2015/12/blog-post_68.html
2015年12月24日時点の回答です