feve casa登録専門家による回答 No.001
はじめまして、kaneplan architects のおおいでと申します。
まずは木造であることを前提にいたしますが、
基礎の立ち上がりは、基礎の上に乗っている土台を、
物理的にはシロアリから遠ざける役割を持ちます。
土台はその上の柱を受けるための、重要な構造体です。
その土台が地面に近ければ近いほど、シロアリの蟻害に遭いにくくなります。
現在の標準的な高さは40センチですが、
それでも温暖地では蟻害を防ぐことは難しく、
シロアリの専門家の間では、
60センチ以上が理想と言われています。
一般的に行われる、土台や基礎への薬剤散布は、
耐久性に問題があり、有効性はおおよそ5年程度とみていた方がいいでしょう。
そういう面で言うと、お母様の仰る事は、
先人の知恵そのものとも言えます。
また、基礎の立ち上がり高さは、
そのまま床下高さに繋がるため、
給排水や電気配線のスペースとして利用します。
給排水や電気配線を基礎下に打ち込んでしまう設計もないわけではありませんが、
メンテナンスや更新が非常に難しくなるため、
いざ更新の際に、大きな出費が予想されます。
床下空間が35センチ以上あれば、
小柄な職人さんは進入することが出来ますので、
点検やメンテナンスを行うには、その程度の空間は欲しいですね。
基礎高さを高く取り、外壁を上からかぶせる方法もありますが、
その外壁が被っている部分からのシロアリの進入もありますので、
あまりオススメ出来る手法ではないですね。
最後に、最近頻繁しているゲリラ豪雨による床下浸水を防ぐのは、
やはり基礎立ち上がりでしかないので、
総合的に考えても、40センチ程度の基礎高さはあった方がいいと思いますよ。
その辺りのリスクをどう考えているのか、設計者さんにお聞きになり、
有効な対策が取れていて、ご納得いけば、採用されてもいいかもしれませんね。
当事務所では、基礎高さは最低40センチ、
出来れば60センチを標準とし、
土台は化学処理したものではなく、
ヒバやヒノキなどの、シロアリ忌避性がある材料を採用しています。
注入土台や土壌消毒は、住まい手さんの健康安全性を考えた場合、
リスク高すぎるため、採用していません。
(安全性が高いと言われる材料も多いですが、
施工時に防毒マスクを必要とする薬剤である事は変わりません)
見た目の好みもあるとは思いますが、
住まいは長い目で見ることと、
健康安全性が最重要であるとも考えます。
Kameplan architects おおいでたつひろ
2016年09月16日時点の回答です