KEN様
皆さんの回答がどうも的を得ていないと感じるのでアドバイスします。
そもそもリビングで床暖房を検討されているのは新築計画ですかリフォームのご計画ですか?
また日射取得が多い地域ですか少ない地域ですか、南面の窓の大きさは何m2くらいありますか?
(建設地の市町村まで分かればさらに的確なアドバイスが可能です)
ご計画住宅の断熱性能はどの程度ありますか?
これらの事が分からないと正しいアドバイスはできません。
床暖房は暖房システムの中で最もエネルギー効率が悪くイニシャルコストもランニングコストが高いシステムです。床暖房を導入するなら最低でも次世代省エネ基準を確保しないと単なるエネルギーの無駄使いとなります。またトップランナー基準の断熱性能があれば床暖房など不要です。床暖房している部屋は確かに心地よく、私も5年前まではお客様にお勧めしていまいましたが、4年前からは床暖房システムに投資するお金があるなら断熱性能と気密性性能を上げるようアドバイスしています。断熱性能を高めて窓からの日射取得熱を的確に取り入れてなるべく逃がさないように設計すれば真冬の晴れた日なら夜寝るまで暖房は不要ですよ。
太陽熱は0円です。どう考えても素直に太陽光を利用した方が賢明です。
さて、上記の基本的な知識を理解していただいた上で床暖房各システムの長所と短所を申しあげます。
①電機シートシステム
イニシャルコストは最も安いです。また8帖程度までの大きさならイニシャルコストとランニングコストを20年ベースで計算すると温水式よりも低コストです。電機シート敷きの大きな問題は電磁波です。目に見えないものなので皆さんあまり気にしませんが電機シート式床暖房やホットカーペットなどの電気で床を暖めるタイプの上に人が長時間触れるのも最も電磁波の影響が大きいです。私はお子さんの為にもお勧めできません。電機シート式は低温火傷するという書きこみがありましたがそれは出始めの話で現在ではどのメーカー(日本製)でも低温火傷などしません。
②給湯式
ガスまたはヒートポンプでお湯を作って床下に循環させるシステムです。ガス式を1としたらヒートポンプ式は1.5倍程度のイニシャルコストです。ランニングコストはヒートポンプの方が安いので20年ベースをトータルで考えるとヒートポンプの方がお得です。ヒートポンプ式はお風呂などの給湯と兼用とするシステムもあります。
③アクアレイヤーシステム
電機シートの上に水のチューブを載せて夜間電力で蓄熱させて昼間放熱するシステムです。過去3軒導入した経験がございます。イニシャルコストはガス式の1.5倍くらい、ヒートポンプ式給湯床暖房と同じくらいです。深夜電力を使うのでランニングコストは普通ですが消費エネルギー(CO2発生量)は膨大です。最低でも次世代省エネ基準程度の断熱性能がないと部屋が暖まりません。
(給湯式は断熱性能が低くてもガンガン稼働させてエネルギーの無駄遣いをすれば暖まります)
④土壌蓄熱式床暖房
11年前、我が家に導入したシステムです。新築にしか導入できません。イニシャルコストはガス給湯式と同程度、深夜電力を使うのでランニングコストはガスよりやや安いくらいです。③と同様にイニシャルコストはそれほど高くないですがエネルギー消費量は膨大です。このシステムも最低でも次世代省エネ基準程度の断熱性能が必要です。
⑤屋根集熱床下吹き出し(OMソーラー系)
断熱性能の低い20年前のシステム、過去の遺物です。断熱性能向上技術が確立された現在、屋根で集熱しなくても窓からの入射だけで十分です。このシステムに150万円掛ける意味が分かりませんし地元静岡でも売れ行き芳しくありません。
⑥床下エアコン吹き出し
純粋な床暖房ではありませんが、床面を暖めながら床グリルから空気を吹き出し循環させるシステムです。エアコン1台~2台で家一軒暖まるので冷暖房トータルで見ると最もイニシャルコストが安いです。高効率なエアコンを使うのでランニングコストも低いです。躯体断熱性能がトップランナー基準を超える断熱性能が必要なのと、床下の基礎立ち上がりを無くすなど特別な設計が必要です。
⑦エクセルギーハウス
自然沪過した雨水を太陽光給湯で温め(30度程度)床下に蓄えながら循環させるシステムです。貯湯量は6トンもあります。太陽光という自然エネルギーで温めるシステムなのでランニングコストはゼロ円です。イニシャルコストは全ての床暖房システムの中で最も高額で350万円程です。(暖房だけでなく夏の冷房システムも込みの金額)
以上ざっと説明させてもらいました。
KEN様がもしリフォームでちょこっと床暖房を導入したいということ
ならガス給湯式を導入してください。大規模なリフォームや新築のご計画でしたら先に説明した通り床暖房に支払う費用を断熱強化、特に窓サッシの断熱性能強化に使った方が賢明です。
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