日本の夏は年々暑くなっています。暑いからとエアコンざんまいでは体だけでなく懐もどんどん涼しくなってしまいます。また、大きな視点で考えれば温暖化に本気で歯止めをかけないと、地球全体が困ったことになってしまいます。文明の利器に頼るだけでなく、古くから伝えられている涼を取る方法や、工夫をこらした家づくりで、上手に夏を乗り切ってみませんか。一人一人の心がけが間違いなく温暖化防止への第一歩になります。
風がまっすぐ通る道
風をうまく取り入れることができれば、エアコンは要らないくらい涼しくなります。けれども限りある面積の中でまっすぐ風を通すのって意外と難しい。この写真を見た時思わず「恐れ入りました」という言葉が出ました。洗面台の向うを掃き出し窓にするというこの発想。もちろん、腰高窓でも十分風は通ると思います。それを敢えて掃き出し窓にする潔さ。考えてみればこうすることで、掃除も容易になり水回りにありがちな湿気やカビなどの問題も解消でき、一石二鳥ですね。
心地良いひんやり感
夏はペットにも試練の季節。エアコンが稼働してない時やついてない場所では、廊下や玄関の冷たい場所で腹這いになっているワンちゃんをよく見かけます。写真のお宅のようにひんやりとするタイル敷きの場所を生活空間に作ってあげればワンちゃんも快適に過ごせそうです。写真のお宅は、90歳代のおばあちゃんが腰掛けて、飼い犬と戯れるために一段下げたそうですが、この土間風の造りはワンちゃんだけでなく人間にとっても、色々と便利に使えそうですね。
レースカーテンの威力
オープンリビングの場合、階段も部屋の中にありますので、冷暖房の効き目を心配する声も、多く聞きます。それを一番手頃で簡単に解消できるのが、カーテンです。写真のお宅は明るさを遮りたくないということで、レースのカーテンを採用しています。ほんのり見える回り階段が、とてもエレガントな雰囲気です。レースのカーテンなんかで効果があるの?と思われる方も多いでしょう。でも、この薄い布一枚の威力がすごいのです。
土と木が熱を和らげる
雑草対策のために、家の周囲をコンクリートで固めてしまうお宅が多いですが、盛夏には太陽光の照り返しで室内の温度を上げてしまうことがあります。せめて直射日光があたる所は庭もしくはウッドデッキなど太陽光を優しく吸収してくれる場所が欲しいですね。すでにコンクリートにしてしまったお宅でも、人工芝や木材系のフロアーデッキなどで上手に庭やテラスの照り返し対策をしてください。どうしても雑草を生やしたくない場合は、天然真砂土を固めたマサファルト等を使用すればヒートアイランドを防げます。
ハンモックでゆらりゆらり
カラっと晴れた夏の昼下がり、さわさわと葉っぱを揺らす風に吹かれながらハンモックに揺られているのを想像してみてください。とても幸せな気分になりませんか。夏だから暑いからと涼しい屋内に引っ込んでしまうのではなく、爽やかに過ごせる場所を見つけて自然の空気の中で過ごしてみるのも夏の醍醐味です。また、夏はとてもエネルギーを消耗する季節でもあります。お休みの日には、たまにはゆっくり自宅でお昼寝する時間をつくってください。
日本の夏は縁側でスイカでしょ
縁側でスイカを食べながらタネの飛ばしっこ。日本の夏の風物詩は今も健在でしょうか。縁側は本来外と内を繋ぐ中間の場所。雨や日差しから人の住まいを守る場所として作られたのでしょうね。縁側が強い日差しを一旦吸収してくれるので、その奥の部屋は過ごしやすくなるのです。また、縁側は家族や近所の憩いの場所でもあります。「暑いね、暑いね」と言いながら、夏の昼下がり腰かけて皆でスイカを食べる、なんて幸せなひと時でしょう。
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2017年01月09日投稿
エコ・温熱環境
断熱材について
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ライター/writer さんたまる