海辺のシェアハウスには、広々とした青空駐車場があります。
住人たちは毎日、その日の気分で好きな位置に車を駐車しますが、敷地の外れには、一台のバイクが二年間、定位置をキープし続けていました。
緑濃く爽やかな風が吹いて、ピクニックに出かけたくなる季節がやってくると、照明スイッチ制作職人Sちゃんは、バイクを前に、ドッカリと座り込みます。
丁寧にゆっくりと、小さな部品を一つ一つ解体し、磨き、そしてまた一つ一つ、元の鞘に納めていくSちゃんの、太く厚い指。余分な力が抜けきったその指が、沖合のうねりのように、静かに大きく動く時、バイクはエンジン音を轟かせ、スイッチは明かりを灯します。
爽やかな風が湿気を含み始めると、植物の蔓がバイクに絡み始め、冷たい季節風が吹き始める頃には、車体はすっかり蔓に覆われます。
車体を包み込みながら厳しい季節を乗り越えた蔓はやがて力尽き、ウグイスが春を告げ、そしてまた、青空駐車場に爽やかな風が吹き始めれば、車体の前にドッカリ座り込むSちゃんの太く厚い指が、バイクに命を吹き込みます。
車を眺めながら打ち合わせができる応接スペース。
お仕事柄、来客の多いクライアントのため、玄関土間を広くとり、お客様も靴を脱がずに打ち合わせができる、応接スペースを兼ねた、ビルトインガレージ。
会話のキャッチボールを成立させるのは、車というひとつの共通事項。緊張しがちな営業マンにはありがたい空間です。
音や臭いを考慮した、コンクリートのガレージ。
ガレージのシャッターをオープンにすることで、前庭の駐車スペースと一体となり、整備はもちろん、自由な使い方が可能になるというガレージ。
整備しながら、脳内は、山道ツーリングのイメージトレーニング。口ずさむ歌は、おそらく、ビートルズのThe long and winding road。
自動車、自転車、アウトドア用品をたっぷりと収納。
ガレージの横は、広々としたアプローチ。その奥には、住宅の玄関。壁面には収納が設けられています。
アウトドア用品の醍醐味は、広げたアウトドア用品をコンパクトに片付けていく過程にあると言っても過言ではありません。
アウトドア用品をガレージの定位置に収納するまでが、アウトドアなのです。
愛用のサーフボードをディスプレー。
壁に横格子をかけ、可動式の棚を差し込んだ、ディスプレーガレージ。夜は間接照明がディスプレーを照らし、ソファを置いて、仲間とお酒を楽しむことが可能。
ビッグ・ウェンズデーという映画があります。サーフィンを通して描く青春と友情が、後味爽やかな映画ですが、その映画を鑑賞したのは、小学5年生の時。サーフボードの大きさを初めて知ると同時に、認識新たにしたことは、世界には物凄くハンサムで格好いい俳優がいるということでした。
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2014年09月29日投稿
住宅の法律
カーポート
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ライター/writer koagari