都会などの住宅密集地ではよく見られる「狭小住宅」。
一般的に、15坪(50平米)以下の土地に建てられる住宅を狭小住宅と呼びます。
何を隠そう、筆者は狭小住宅マニア(単に広い家に住めないから、というのもあるのですが…)。
狭い敷地だからこそ、少しでも広く見せたり生活しやすくしたりといった工夫のしがいがあるというもの。ここでは、そのポイントをお伝えします。
「この街が好き」「ここで暮らしたい」と思える場所なら、たとえこじんまりした家でも“住めば都”になりますよ!
窓を大きくとれば開放感が段違い!
敷地も家もこれ以上大きくすることはできない…。
それなら、窓を大きくとりましょう!
光がたくさん入ると室内が明るく、広く感じられるほか、外の景色が目に入ることで開放感が驚くほどアップします。
写真の住宅では、2階の大きな窓の向こうに広めのテラスを設置。まるでリビングと一続きであるかのように感じさせることで、より広々とした空間を作っています。
4.5帖でも狭くない!? 秘密は「躯体現し」
「躯体現し」(くたいあらわし)とはリノベーション用語のひとつで、本来仕上げ材で隠す住宅の骨組み部分を、あえて見せるスタイルのこと。
おしゃれなカフェなどで天井の配管がむき出しになっている、あれです。
写真のリビングは4.5帖ほどのコンパクトさですが、月見台や天井を躯体現しにすることで“抜け感”が生まれ、狭さを感じさせません。
天井を吹き抜けにして縦に広がりのある空間を作っているのもポイントです。
階段はスケルトンにすれば広く見える
こちらの住宅も建築面積16坪という狭小地に建っています。それでも、玄関からリビングに入ったこの風景に狭さを感じないのはなぜでしょう?
答えは、階段の蹴上げ部分が無く、スケルトンになっているから。
隙間から目線が遠くまで抜けるので、実際よりも広さを感じることができるのです。特にリビングを広くとれない住宅では、階段を壁で隔てずにあえてリビングの中に設置し、スケルトンにすることで、開放的な空間を作ることができます。
圧迫感なく空間を仕切れる「スキップフロア」
スキップフロアとは、フロアに段差をつける建築方法。小さな中2階を作るようなイメージです。
フロアに高低差が出ることで、実際の床面積よりも広く感じるメリットが。
また、段差によって空間に「仕切り」ができたように感じられるので、壁やドアを作らなくても部屋を区切ることができます。
狭小住宅を広く見せるためにはマストと言ってもいい、便利で効果的なスタイルです。
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ライター/writer 玉置