年月を重ねた古民家には、先人たちの暮らしの知恵が詰まっています。今では手に入らないような希少価値の高い木材が使われていたり、建て替えてしまうには惜しい個性的なデザインだったり。手をかけてあげればまだまだ快適に住める古民家なら、リフォームで受け継いでいくのも一つの選択です。リフォームすることで現代的な利便性を伴った、快適なのに味がある古民家をご紹介します。
職人技が光る、大胆な木組みの家
築70年の古民家には家族の歴史が詰まっています。職人の技術が冴える木組みをあえて見せることで、モダンでスタイリッシュな雰囲気に。太い梁を生かした大胆な吹き抜けによって、日本家屋独特の閉塞感がなく、広々とした空間を作り出しています。古民家の雰囲気を損ねない、シンプルな木製のペンダントライトがアクセントです。
古さと新しさのグッドバランス
こちらの民家は何と築120年。明治時代に建てられた家と聞くと驚きですが、内装は意外なほどに現代的です。これは、もともとの家の様式を否定せず、かと言って昔の家に無理やり合わせることもなく、住みやすさを追求して手直しをした結果。「古さ」のみに価値を置くのではなく、あくまで「人が住む上での快適さ」を考えてリフォームされた好例です。
リビングを1階から2階へ移し明るさを確保
古い家ではリビングが1階にあるケースがほとんど。しかし、それでは光が入りづらく、せっかくの家族団欒の場も薄暗くなってしまいます。築40年になる写真の住宅では、みんなが集まるリビングを1階から2階へ移し、さらに周囲の緑を借景にできる大型バルコニーを付けました。窓を大きく設けることで、明るさと開放感が一段と増しています。
古いのに新しい、モダンな土間のある古民家
ピアノ教室を営むオーナー。古民家1階の一部をピアノ教室に、残りを住居としてリノベーションしました。1階の縁側と和室をつなげてグランドピアノが置けるスタジオに改装。もともと軒下の空間だった部分は現代風の“土間”にして、薪ストーブや自転車を置けるスペースに。昔ながらの住宅の良さは残しながら、他にはない個性的で斬新な住まいに生まれ変わらせました。
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ライター/writer 玉置