海辺の集落には、防風林に沿って、くねくね続く小路があります。
小道をポクポク進んでいくと、前方に、野原が明るく開きます。
野原の隅には、マンモス岩と呼ばれる大きな岩山が、ドドーンと鎮座しています。
背の低い一本の樹木が、枝葉を広げながら、マンモス岩に寄り添うように立っています。
サワサワと風に揺れる樹木の根もとに、明日葉、野蕗、ヤツデが育ち、小さな森を作っています。
背の低い一本の樹木には、小さな住人が住んでいます。
風がピタリと止まる、ポカポカと穏やかな日中に、小さな住人のさえずりが聞こえてきます。
「ホ~。ホケキョ!」。
原っぱをノソノソと闊歩する、大きな野良猫が、小さな森の根もとにやってきて、枝葉をジッと見上げる日があります。風速15mの暴風雨が、背の低い一本の樹木を容赦なく、ドシャドシャと吹きつける日があります。ポカポカとした奇跡の時間がやってくれば、小さな住人は、「ここにいるよ、いるんだよ」と、小さな魂を解放します。
背の低い一本の樹木は、小さな命を預かりながら、大きなマンモス岩に寄り添いつつ、今日も枝葉を伸ばしています。
レンガと樹木のコラボレーション。
L型のプランで分けられたLDK棟と寝室棟。
中庭のような空間は、鳥の声と風に揺れる木々の音だけが聞こえ、静謐な世界が作り上げられているはず。
樹齢100年のヤマモモを包む家。
樹齢100年の既存のヤマモモの木を挟む形で建物を配置。
住まう方の、ヤマモモの木に対する深い愛情が伝わってきます。
ヤマモモの木は、これからもその寿命を永らえて、命の尊厳を自ら示していくのです。
シンボルツリーはミズナラ。
正面が母屋で手前左側が駐車場棟。
駐車場棟と母屋の間に植えられている樹木は、ミズナラです。
家屋と芝生と樹木の絶妙なバランスが、完璧なまでの、ひとつの世界観を作っています。
新緑のもみじ。その1。
中庭に、新緑まぶしい一本のもみじ。
このもみじは、富士山の麓で自然に成長していたものを移植したのだそう。
中庭は、隣接するアパートからの視線を遮りながら太陽光を取り入れる、コの字型プラン。
新緑のもみじ。その2。
上記写真の、中庭に面した開放的な窓からの別アングル。
春の新緑、夏の木漏れ日、秋の紅葉、冬の枝振りと、日本の四季を肌で感じながら暮らせる空間となっているそうです。
大きなクスノキの下に住まう。
江戸時代に植えられたという巨大なクスノキの下、
L字型に配置した住まい。
室内のどこに居ても窓を通してクスノキが目に入り、大きく伸ばした枝葉が、強すぎる陽射しを和らげてくれるそうです。
風に揺れる樹木の美しさが映える家。
定年を間近に迎える老夫婦のための小さな平屋。
その小さな平屋を守るように、背高く樹木が育っています。
清流のようにサワサワと聞こえてくる木立と風のBGMは、住む者の心を爽やかに優しく包んでくれることでしょう。
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2014年06月02日投稿
エクステリア・ガーデニング
庭について
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ライター/writer koagari